都留市の歴史を1時間で体感!
〜 ミュージアム都留で“城下町の記憶”をたどる〜

〜ミュージアム都留〜
江戸時代、甲府と並び山梨の二大都市と呼ばれた都留。
今では静かな山あいの街ですが、かつては活気あふれる城下町として人と文化が行き交っていました。その歩みをわずか1時間で体感できる場所が「ミュージアム都留」です。
ここでは、市民にとっては「知っているようで知らなかった発見」を、初めて訪れる人にとっては「この街、面白い!」と思える魅力を味わうことができます。
市民の願いから生まれた“学びと発見の拠点”
ミュージアム都留は平成11年(1999年)に開館しました。誕生のきっかけは、市民や地元団体から寄せられた「博物館をつくってほしい」という熱い声。平成6年頃から要望が積み重なり、都留市が長年収集してきた歴史資料を保存・活用する拠点として誕生しました。
大きな特色は、都留の歴史を「祭り」「考古」「芸術」と多角的に紹介していること。とりわけ毎年9月に開催される「八朔祭(ふるさと時代祭り)」に関わる展示は、博物館を象徴する存在となっています。
さらに令和6年4月からは入館料が無料になり、市民にとっては気軽に利用できる生涯学習施設に、観光客にとっては立ち寄りやすいスポットになりました。
見どころ3選 ― 都留の歴史を凝縮した展示
見所1:都留の誇りを体感「八朔祭の屋台と飾り幕」
― 圧倒的な迫力、江戸の美意識が宿る屋台 ―
館内に入ってまず目を奪われるのが、9月の「八朔祭(ふるさと時代祭り)」で実際に曳行される八朔祭屋台です。高さ数メートルにも及ぶ大きさは圧巻で、実際のお祭りでは人混みで近づけない細部まで、360度好きな角度からじっくり鑑賞できます。
見所2:考古資料が語る都留のはじまり
― 都留にこんな歴史が!?驚きと発見の展示室 ―
市内には遺跡が100ヶ所以上も発見されており、第一展示室ではこうした考古資料を中心に紹介しています。
展示されているのは、3万年以上前の石器や縄文土器、山梨県指定有形文化財の中谷遺跡出土偶など。山梨県で唯一出土した「和同開珎」もあり、都留の大地に古くから人々の営みがあったことを物語ります。
地元の人でさえ「まさかこんな貴重なものが出土していたなんて」と驚くそうです。
「都留には城下町の歴史だけでなく、古代からの人々の営みが息づいているのです」と福島さん。展示は要点がコンパクトにまとめられており、短時間でも“都留のはじまり”に触れることができます。
見どころ3:歴史が楽しく学べる映像展示
― 子どもも大人も楽しめる“物語仕立て”の歴史体験 ―
歴史をもっと身近に感じられる仕掛けが、映像シアター「城下町都留探訪」と電子紙芝居「芭蕉劇場」です。
「城下町都留探訪」では、まるで当時の町を歩いているかのような映像体験で、往時のにぎわいが目の前に広がります。一方の「芭蕉劇場」では、俳人・松尾芭蕉と都留との関わりを紙芝居形式で紹介。子どもにもわかりやすい表現で、大人も楽しめる内容になっています。
時間が限られている観光客にとっても効率よく都留の歴史を学べる工夫です。
企画展・芸術展示で“新しい都留”に出会う
常設展示だけでなく、定期的に開催される企画展も大きな魅力です。例えば、都留市出身でフランスを拠点に活躍した画家・増田誠の作品展(2025年10月4日〜19日予定)は、遠方からもファンが訪れる注目のイベントです。
学芸員の福島さんは「常設展は一度見れば満足しがちですが、企画展では毎回新しい角度から都留を紹介しています。訪れるたびに“また違った都留”に出会えます。」と語ります。
※増田誠作品については常設展示はなく、期間限定での公開となりますので、ご注意ください。
学芸員に聞いてみよう!
展示の疑問や「もっと詳しく知りたい!」と思ったときは、ぜひ学芸員に声をかけてみてください。
館長の高部さんは「私たちは“屋根付きの辞書”です。自由研究の相談から観光案内まで、気軽に声をかけてください」と笑顔で話します。
都留の歴史と未来を感じる場所
ミュージアム都留は、単なる歴史資料の展示にとどまらず、八朔祭の屋台や郡内織物、街並みを通して都留の豊かな歩みを想像させてくれる場所です。来館者には、つるのルーツ城下町ポイント付与の特典もあり、日常的にも立ち寄りやすい施設です。
都留市民も、初めて訪れる方も、ここで必ず「新しい発見」に出会えるはず。
過去を知り、未来を想像する旅へ―ぜひ、あなたの「つるのルーツ」を探しに訪れてみてください。
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