「“つるの恩返し”を今、伝えたい」
つるのルーツのCMでもおなじみ!
つる大使Momokaさんが見た都留の魅力

山梨県専門インフルエンサー Momoka(モモカ)さん
城下町・都留の魅力を発信しようと立ち上がった「つるのルーツ」プロジェクト。始まってから今月(2025年5月)でちょうど3年(2023年5月1日~)。
そこで今回は、プロジェクト立ち上げ当初、プロモーションにご協力くださったつる大使のMomokaさんに改めてインタビュー。ご出演くださった「つるのルーツCM」の撮影裏話に始まり、Momokaさんご自身のルーツや、つる大使としての思いなどを伺いました。
◆Momoka(モモカ)さん◆
都留市出身。28歳。山梨県内の情報を専門に扱うインフルエンサー。HP、SNS、YouTubeなどで山梨の魅力を発信している(2021年頃~)。つる大使をはじめ、やまなし大使、甲州市フルーツ娘、ほくとインフルエンサー、上野原PR大使など、県内の様々な町の観光大使として活躍されているほか、イベントMC、SNS関連の講座や講演、企業のSNS運用サポートなど幅広く活動中。
「都留市が城下町だということを知っていますか?」
形のないものをPRする難しさ
のり:まずは、ご出演いただいたつるのルーツのCMについて、反響はいかがでしたか?
「めっちゃ出てくるんだけど」とか、「昨日画面越しに会ったよ」など、すごく反響をいただきました!初めて見たときは、”着物を着ている女の子・・・あれ?Momokaちゃん?”となって、2回目以降にちゃんと私だと気付いてくださる方が多かったみたいです(笑)
私自身、現代の私と前世の私みたいな、タイムスリップ感があって、すごく面白く作っていただいたなと思いました。
のり:撮影の裏話があればぜひお聞きしたいです!
お城山(勝山城跡)の頂上で着替えたこと。着物だと足が開かないから登れないなと思って。都留市の中で、おそらく一番高いところで着替えたんじゃないかな(笑)ちょうど桜の時期に撮影をしていたので、みんなで桜の木の下でお弁当を食べて、遠足みたいな感じで楽しかったですね。
他にも、谷村町駅や城南橋でも撮影したのですが、私、声が大きいので、セリフを叫んでいたら近所の方が「頑張ってね」などと声を掛けてくださって。地元でこういう経験をするのってなかなかないので、面白かったですね。
※撮影時の様子
のり:「都留市が城下町だということを知っていますか?」というセリフからCMが始まりますが、Momokaさんご自身は、もちろんご存知でしたよね。
そうですね、子どものときから【都留=城下町】というのが日常の中にありました。谷村第一小学校出身なのですが、授業で習いましたし、遠足もお城山で。ちょうど、城下町をイメージした景観整備のために、体育館や消防署の壁を黒く塗るのも見ていました。だから、つるのルーツプロジェクトの立ち上げを知ったときは、正直「やっと?!」と(笑)
のり:地元の皆さんにとっては当たり前の【都留=城下町】が、市外や県外の方に伝わっていなかったのはなぜだと思われますか?
都留市が町づくりにすごく力を入れてきたから、町自体が進化してきたということが大きいと思います。新しい取り組みや新しい場所、公園などができていくが故に、昔からあるものや変わらないものは埋もれてしまっているんじゃないかなって。
あと、城下町とはいえ、お城そのものもそうですし、大きく形として残っている町ではないので、観光資源としてどう活かすかは難しいですよね。でも今も、よく見れば町並みの中に城下町としての名残がありますし、神社やお寺も多い。そういった市の財産をどんどん活かして、いろんな人に知ってもらって、新たな魅力として広まってほしいですよね。
のり:都留の町並みのどのあたりに城下町の名残を感じますか?
まちづくり交流センター付近や寺町通りのあたりは特に感じますね。真っすぐ道があって、道路に向かって家が連なっているじゃないですか。国道139号の急カーブのところも城下町の名残、敵に攻められないために作ったっていう。建物として残っているものは少なくても、城下町と意識して町並みや道を見ると、そうだなって感じることは多いですよ。
あとは、和菓子のすがやさんの包装紙!谷村の絵図をデザインした包装紙なんですよ。あれを見ると、すごいな、歴史があるなって思いますね。
“インフルエンサー・Momoka”のルーツ = 都留
地域の大人たちに育ててもらった経験が今の自分を作っている
のり:こう言うと失礼かもしれないのですが、Momokaさんは、色々なものをよく見て分析するというスキルが非常に高い方なのかなと感じます。どうやって身につけられたのですか?
ありがとうございます(笑)勉強はほどほどだったのですが、小さな頃から色々なところに行って、町を見たり、地域の人たちと関わったりしていたからかも知れないですね。
例えば、のびのび興譲館やうら山観察会など、市内の生涯学習の取り組みは網羅していると思います。小形山のホタルの観察会も行っていました。自分で行きたいと言うときもあれば、両親や知り合いが勧めてくれることもあって色々参加して。
そこでは、”地元のことをよく知っている大人たち”が指導者なので、たくさん都留のことを教わりましたし、自分で何かを考える力を身につけたり、親以外の大人との関わり方を学んだり、市内の他の学校の子と仲良くなったり・・・。普通に遊んでいるだけだったら出来なかった経験をたくさんさせてもらいました。
のり:そのご経験が、今のインフルエンサーのお仕事の土台になっているのですね。
自分で考えて何かをやっていくということはそうですし、地元って良いな、地元の魅力を発信したいなと思ったのも、記憶を辿っていくと、このときの経験が大きいですね。
のり:Momokaさんは、都内の大学に進学されて、Uターンで地元に戻ってこられて、最初は会社員として働いていたのですよね。
はい。県外に出て一人暮らしがしてみたかったんです。外に出て、山梨以外の環境を知ったことで、自分が住んでいたところって実はすごく住みやすくて、自然にも恵まれていて、親以外の大人、地域の大人たちが地域の子どもたちを育ててくれているっていう環境で、すごく幸せな生き方をしてきたんだなと改めて感じました。
それで、就職は山梨に戻ろう、山梨の魅力を発信できるような仕事・・・じゃあ、観光地でお客さんをおもてなししよう!と、観光業に決めたのですが、在学中にインターンシップで県内の観光地にあるホテルスタッフの仕事をさせてもらったら、自分はこれじゃないなと。接客、現場、というよりも、一歩引いたところで、プロデュースをするようなお仕事が良いなと思ったんです。思い返してみれば、もともと、旅行そのものよりも、旅行に行くまでに色々調べたり、プランを立てたりすることが好きだったんですよね。それで、甲府にあるお土産を作ったり卸したりする会社に就職しました。
のり:そこから、現在のインフルエンサーのお仕事へ?
社会人2年目のときなのですが、新型コロナで祖父が突然亡くなってしまったんです。当時は病院に入ることもできなくて、後日、担当してくださった看護師さんから、山梨ってこんなに良いところなんだよってよく話をしていたと聞きました。
それがきっかけで、自分が本当にやりたいことって何だろう?どうやって生きていきたいんだろう?と考えるようになって。世の中はコロナ禍で、観光は自粛。それなら、コロナが落ち着いて自由に外出できるようになったときに山梨に来てもらえるように、自分で情報を発信してみようと思って、見様見真似で始めたんです。
のり:お一人で、しかも未経験でのスタートというのは、大変でしたよね。
どの仕事もみんな大変だと思いますが、やっぱり型のない仕事をどう生業にしていくかというのは大変でした。でも、自分の好きなことを仕事にしたいという気持ちと、応援してくださる人やサポートしてくださる人が多かったので、辞めたいと思ったことは1回もないですね。
色々なSNSを使って発信しているのですが、今は合計で3万人くらいの方が見てくれていて、コメントをしてくださったり、イベントなどでお会いしたときに直接声を掛けてくださったりすると、私の発信が届いたんだな、続けてきて良かったなと思います。
のり:Momokaさんが情報発信をする際にこだわっていることはありますか?
等身大の自分で発信することですね。見てくれている人に対してフェアというか、本物の情報を届けたいので、私はこんな人で、こういう思いをもって発信していると明確にしていますし、身延町だろうと、北杜市須玉町の増富だろうと、必ず自分の足で行って、地元の人たちにお話を聞いて、伝えたい思いを汲み取って、私が伝えたい。そのために、自分で考えて、自分で工夫をして・・・。それが見てくれている人の共感につながっていると思います。
のり:これまで活動をされてきた中で、一番印象に残っていることがあれば教えてください。
一番というと、令和4年のふるさと時代祭りで大名行列の姫役をやらせていただいたことかもしれません。子どもの頃、お客さんとして見ていた大名行列に、今度は自分が出演することになって、しかもお姫様の役をさせていただいて。自分が見る側から見られる側に、皆さんに楽しんでもらえる側に立っているって、とても感慨深かったです。
のり:最近では、子どもたちや学生の前でご自身の経験を話す機会もあるそうですね。
そうですね。今は、自分の好きなことややりたいことを仕事にできるチャンスがある時代なので、自信や夢を持ってほしいなと思って話をしています。私も元々全くなかったのですが、自分にとって楽しいことややりがいを見つけられて、人生が豊かになりました。私自身が、山梨での働き方のロールモデルになれたらいいなとも思います。
「都留に来て」→「ついでに寄っていって」
「市外県外へのPR」→「地元の人たちが地元を再認識」
発想の転換!目指すは ”つるの恩返し”
のり:情報発信や講演の他にも、これまでに様々なご活動をされてきたMomokaさんですが、この先、やっていきたいことや計画していることはありますか?
想像していた以上にすごく色々な経験をさせてもらっているのですが、まだまだ自分でもやりたいことがたくさんあるし、やっていくにつれて目標がどんどん高くなっていっている気がしますね。だから、これからも自分のやってみたいことに自由に挑戦していこうと思っています。
のり:今言える範囲で大丈夫なので、何か具体的に教えていただけますか?
これまでが”情報”という形のないものを扱ってきたのに対して、今度は形にして、地域に還元できるような事業を自分自身でもやっていきたいです。例えば、民泊をプロデュースしたり、事業者さんと商品開発をしたり。
これまでにインフルエンサーとして、県内のいろんな場所を見たり、いろんな人の経験を聞いたりしてきて、それが自分自身の価値や財産にもなりました。そういうものを、私の根本にあった”観光”に取り入れた事業展開ができたらと思っています。
のり:つる大使としてはいかがでしょうか?
今年、都留市観光協会と一緒に観光パンフレットを作らせてもらったのですが、テーマが「ついでにつる旅」。この”ついで”というワードをあえてつけたかったんです。富士山の”ついで”みたいな。というのも、都留だけを目的に観光に来ることは少ないと考えて、何かのついでに寄ってもらえるようなコンテンツで、都留に足を運んでもらうきっかけを作りたいと思ったんです。
※パンフレット撮影時の様子
私はここで生まれ育って、ずっと見てきたので、都留市が町としてすごく進んで、頑張っていることを知っていますし、観光面での可能性はきっともっとあるんじゃないかとも思います。市内の事業者さんたちも本当に頑張ってくれているんですよ。だから、私自身、発信の仕方を考えたり、発信力ももっと強めたりして、都留市の魅力や取り組み、都留市の存在そのものももっともっと広げていければいいなと思っています。
また、今都留に住んでいる方々も、もっと地元にふれる機会があれば、この場所の価値に気付くことができると思います。新しい取り組みやスポットができたら見に行ってみたり、おはっさくやお茶壷道中に改めて足を運んでみたり・・・。自分たちの町って実は良い町なんだと、誇りを持ってもらいたいです。
のり:Momokaさんの地元愛が、市内外の多くの人に届くといいですね。
自分がこうしてやりたいことを仕事にしてお金をいただいているって、すごくありがたいなと思っていて、それは地元の、都留の皆さんが応援したりサポートしたりしてくださっているから続けてこられました。子どもの頃も、大人になった今も、本当に地域の皆さんに育ててもらっているんですよね。
すごく幸せな環境で、感謝していますし、みなさんにしてもらったことを、今度は自分が下の世代の子たちにもやってあげたい。今のインフルエンサーという仕事にとどまらず、形のある何かを作り出して、”つるの恩返し”が出来たら良いなと思います。
<取材後記>
日々、県内を飛び回って活動をしていらっしゃるMomokaさん。都留以外にも様々な町の魅力を感じていらっしゃる中で、改めて、都留のどんなところがお好きかお聞きしました。すると・・・
好きなところ①)Momokaさんの子どもの頃の通学路(谷村第一小学校付近)
:城下町の町並みとして景観が整備されたことで、川や町に捨てられていたゴミがなくなり、景色の良い住みやすい町に。その変化の過程も見てきたため、より”良い町になった”と感じる場所なのだそう。
好きなところ②)田原交流センター nicot とその周辺
:nicotのコワーキングスペースを普段から利用しているMomokaさん。様々な働き方をしている人と出会えることや、館内にある子育て支援センター(はぐっと)や隣接する公園(つるビーパーク・いこっと)には親子連れ、都留文科大学の「つるフィールド・ミュージアム」には学生というように、様々な世代の”地域の人”が集う場所だから。
好きなところ③)適度に緩くて寛容的な町であること
:何かに挑戦しようとしている人や何かを頑張りたい人に対して寛容な人が多く、各々がそれぞれに向かって頑張っていることで適切な距離感があり、やりやすい・居心地が良いと感じているとのこと。
今回、Momokaさんにお話をお聞きして、何気ない毎日の中で、視点を変えれば見えてくる町の魅力があり、当たり前だと思っているものにも価値があるのだと改めて気付かせてもらいました。ありがとうございました。
つるのルーツではこれからも、Momokaさんに負けないように、都留の魅力発信に努めてまいります!
コメント
ゆっくり読ませて貰いました。改めて都留の歴史、文化や今現在の都留の取り組みなどが伝わってきました。私は地元ではないのですが、momokaさんの周りの環境から現在に至っているのを感じました。その事を実感してつるを発信しているので良く分かりました。ありがとうございます